本サイトでは、ドラフト候補の回転数計測結果を掲載しています。
この結果がどこまでの精度か知りたい方も多いでしょう。
そこで、本記事では計測誤差について紹介させて頂きます。
トラックマンとの比較
2020年の都市対抗野球でトラックマンによる回転数計測結果が中継に表示されるようになりました。
第91回都市対抗野球大会
— 【公式】JABA 日本野球連盟 (@baseball_jaba) November 26, 2020
2回戦(11月27日第3試合)から放映される映像が少し変わります。
トラックマンによる数値(投球の回転数や打球速度、角度など)が表示されます。Jsportsや毎日新聞ライブ中継でお楽しみください。https://t.co/9xRBi52qdx
ということで、中継の表示と私が球場で撮影して計測したデータに違いがあるのか比較してみました。
トラックマンと動画計測の比較
11月30日に登板した清水蓮(ヤマハ)のデータを比較してみます。
「トラックマン」が中継での表示、「動画」が私が実際に球場で撮影した動画から計測した数値です。
No. | 球種 | トラックマン | 動画 |
1 | 速球 | 1,977 | 1,984.2 |
2 | 速球 | 2,140 | 2,131.2 |
3 | 速球 | 2,076 | 2,092.5 |
4 | 速球 | 2,097 | 2,131.2 |
5 | 速球 | 2,097 | 2,092.5 |
6 | 速球 | 2,052 | 2,055.1 |
7 | 速球 | 1,942 | 1,950.6 |
8 | 速球 | 2,171 | 2,171.4 |
9 | 速球 | 2,197 | 2,213.2 |
10 | 速球 | 2,199 | 2,171.4 |
11 | スライダー | 2,800 | 2,806.9 |
12 | 速球 | 2,219 | 2,213.2 |
全12球のデータは以上のような結果となっています。
こうしてみると、トラックマンのデータと動画計測では若干の差があります。
誤差は-27.6rpm~+34.2rpmとなっています。
残念ながら、現在の計測方法だとこのくらいの誤差が出てしまいます。
平均値を出すと下記になりました。
平均値 | トラックマン | 動画 |
速球 | 2106.1 | 2109.7 |
スライダー | 2800 | 2806.9 |
ある程度の球数を平均することで、下振れと上振れが相殺され、トラックマンのデータに近づいていていることがわかります。
その為、複数球を計測することで、ある程度の精度で数値を割り出すことが出来ることがわかりました。
この差が許容できるのか?という事についてですが、投手が投げるボールの回転数は投球ごとに100rpm以上バラつくのが普通です。
この日の佐藤連の投球も、トラックマン計測の速球は1,942rpm~2,219rpmとなっており、平均値から±100rpm以上バラついていることがわかります。
その為、「トラックマン」と「動画」の計測誤差は、投手が投げる回転数のバラつきと比べると、少ないことがわかります。
よって、このくらいの計測誤差は十分許容範囲内と言っていいでしょう。
ラプソードとの比較
2021年11月にある実験の立ち合いを行ってきました。
その実験ではラプソードを使ってデータ計測をしていましたので、私の方でスロー撮影をさせて頂きました。
その際のラプソードと私の計測結果は下記となっていました。
Aさんの投球時のデータ比較が下記です。
A投球 | ラプソード | 動画 |
1 | 1646 | 1662 |
2 | 1750 | 1746 |
*3 | 1589 | 1662 |
4 | 1626 | 1630 |
5 | 1729 | 1728 |
Bさんの投球時のデータが下記です。
B投球 | ラプソード | 動画 |
1 | 1870 | 1858 |
2 | 1854 | 1838 |
3 | 1939 | 1964 |
4 | 2024 | 2057 |
5 | 2026 | 2033 |
Aさんの投球のNo.3は差が73rpmと大きく出ていますが、高めに大きく抜けてしまった投球でした。
なので、ラプソードの計測ミスだと思います。
それ以外は30rpm以内の差となっており、トラックマンの時と同様に、計測の差はそこまで大きくないことがわかります。





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