VAAはホームベース上における垂直方向に対する入射角度

VAAはホームベース上における垂直方向に対する入射角度 解説
VAAはホームベース上における垂直方向に対する入射角度

VAA(Vertical Approach Angle)とはホームベース上における垂直方向に対する入射角度の事をいいます。

4シームにおいて空振りが奪いやすいかどうかを判断するのに重要な指標です。

図で表すと下記の拡大図内の緑色の角度の事。

VAA(Vertical Approach Angle)

VAA(Vertical Approach Angle)の解説

地面と水平を0°と定義されており、このVAAが0°に近ければ近いほど(地面と水平に近いほど)、4シームにおいて空振りが奪いやすいという傾向が出ています。

なお、VAAはマイナスが標準です。

機械学習による空振り予測モデルからみる影響度

具体的にどのくらい重要なのかを見ていきます。

下記の私の投稿は機械学習のWhiff%(スイング時の空振り率)予測モデルの各変数の影響度を計算した結果を投稿したものです。

これを見てお気づきかと思いますが、VAAという項目がありません。

実はVAAは先ほどの変数から計算が可能で、こちらに計算式が紹介されています。

そこで改めて予測モデルの変数にVAAを入れて各変数の影響度を出してみると下記に。

VAAの影響度が圧倒的に強く、空振り予測の大部分をVAAで予測できてしまうという結果になりました。

このことから、4シームで空振りを奪う場合にはVAAを意識することが重要であるとわかります。

VAAの中身

VAAの中身ですが、VAAの回帰式を見るとわかりやすいです。

こちらの記事にコメント欄に回帰式が紹介されており、下記となっています。

VAA = -10.935970 + (release_pos_z * -1.065859)+ (release_extension * -0.030599) + (plate_z * 1.056003) +(pfx_z * 1.184797 )+ (release_speed * 0.085993)

  • release_pos_zはリリース高さ
  • release_extensionはエクステンション(球持ち)
  • plate_z は投球高さ
  • pfx_zは縦変化量
  • release_speed は球速

回帰式を見ると、切片は-10.935970なのでこれを0に近づけるようにすると空振りが奪いやすくなります。

その為には

  • 球速を速く
  • ホップ量を多く
  • 投球高さを高くし
  • エクステンションを小さくし
  • リリース高さを低くする

と良い事がわかります。

また、これらの単位をcmとkm/hに変換し、各変数の傾きを並び変えると下記になります。

  • 球速 → × 0.056
  • ホップ量 → × 0.038
  • 投球高さ → × 0.034
  • エクステンション → × -0.001
  • リリース高さ → × -0.035

式の傾きでVAAの各変数の影響度がわかります。

球持ちはほぼ影響ないので無視できます。

リリース高さはマイナスの傾きなので低いほど良いわけですが、投球フォームを変更するのはリスクがあります、、、、

影響度は球速が一番強いですが、球速を10km/h速くするのは難しいですね、、、、

ホップ量10cmUPならなんとかなるかもしれませんが、これも難しいです、、、、

投球高さを10cm高くするのは、、、、これなら誰でもできます!

20cmも30cmも高くできますので、VAAを大きく改善することが可能です。

なので1週回って投球高さが非常に重要だったということがわかります。

冒頭のXの投稿(もう一度見たい場合はこちら)でも変数にVAAを入れていない場合、投球高さが一番重要という結果になっていました。

つまり、4シームで空振りを奪うためには(VAAを意識して)高めの投球を上手く使う、というのが結論です。

まとめ

以上がVAAについてでした。

4シームで空振りを奪う際に重要な指標で、投球高さである程度の制御が出来るので、どんな投手でも意識できます。

4シームで空振りが奪えない・4シームで空振りが奪いたい、という投手がいましたら、VAA(投球高さ)を意識した投球を実践してみましょう。

*本文では触れていませんが、変化球においてはVAAの重要度は高くなく、特に気にする必要はありません。

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